The Wall
傾きかけた巨大な二枚の壁が、建築物を支えている。
構造体を支配的にすることにより、理想的な実存的空間を具体化することを試みた。
傾きには、不安定だが人を魅了し引き寄せるという矛盾した力を持つ。ピサの斜塔が典型的である。建築にその要素を取り入れることにより、時にそれは屋根となり、壁となり、ダイナミックな空間と変化のある空間を同時に作り出し、新しい視界と導線を生み出すという結果になった。また、コアをその傾き、湾曲した二枚の壁に挟むことにより、コアの堅く閉鎖的なイメージを打ち壊した。